すると、わたしのお腹のあたりの皮膚が露わになる。

 禍々しく、紫に変色した肌が露出された。

 この時点で、わたしはもう、抵抗するのを止めた。

「なん……で……」

 その代わり、理解が追い付かないわたしの頭の中が、悲痛な声となって漏れるだけだ。

 しかし、蓮さんはそんなわたしの声がまるで聞こえていないかのように、冷酷な目つきをしたまま、わたしに詰問する。

「……愛美ちゃん、これ、いつ、どこで、こうなったの?」

 わたしはせめてもの抵抗として、奥歯を噛みしめたまま蓮さんを睨みつける。

 だが、蓮さんは意にも返さずに、話を続けた。

「昨日から、ずっとお腹をかばって歩いていたよね? それに、母さんがずっと君のことを心配していたのはわかっていた」

「……たったそれだけのことで……わたしにこんなことをしたんですか?」

「そうだよ。たったそれだけのことさ。だけど、僕にはそれだけで、確かめるには十分な根拠だった。違っていたら、いつもの父さんのように謝るだけさ」

 そして、蓮さんは、一呼吸おいて、わたしに聞いてくる。

「お願いだ、愛美ちゃん。今、君はどんなことに巻き込まれている? どんな酷い目に遭っている?」

 蓮さんの声は、いつもより鋭く、余裕がない感じだった。