「……あっ」

 しまった、と思ったときには、もう遅かった。

 蓮さんは、先ほどまで浮かべていた笑みを消して、わたしを見つめる。

「愛美ちゃん。悪いけど、僕は父さんや母さんのように甘くはないし、憂のように世間知らずじゃない」

 蓮さんは力強く、男らしく、わたしの制服を掴む。

「少し乱暴になるのは先に謝っておくよ。だけど、どうしても確かめておきたいことがあるんだ」

 そう言うと、蓮さんは壁にわたしの身体を押し付けて、ブレザーのボタンを取っていく。

「なっ、何するんですかっ!?」

 傍から見れば、わたしは蓮さんに襲われているように見えるだろう。

 だけど、わたしは、蓮さんのしようとしていることがすぐにわかった。

「やっ、やめてくださいっ!」

 必死で抵抗したが、蓮さんは本気らしく、わたしはされるがままに、制服のブレザーのボタンを全て取られてしまう。

「お願いです! やめてくださいっ!」

 わたしの悲痛な叫びも、蓮さんは全く意に介した様子がなく、機械のように、淡々と、しかし確実に、わたしの制服を乱暴に脱がしていく。

 そして、蓮さんは、ついにスカートの少し上の部分のカッターシャツに手を伸ばして、まくり上げる。