とにかく、まだあいつらのターゲットは、わたしだけ。
わたしが近江家にお世話になっていることを、あいつらが知っているのかは定かではないけれど、それでも用心にこしたことはないだろう。
あの人たちに今のわたしの状況がばれたら、色々と面倒だ。
これは、わたしが献身的に近江家の人たちを守っているような発言に聞こえてしまうかもしれないが、現実はそうじゃない。
智子をわたしから引き剥がしたのも、あの子の身を心配したからでは、決してない。
わたしはただ、自分のために行動しているのだ。
もし、今回の霧島たちとのやり取りを問題視された場合、わたしが被害者であるのは事実だが、それでも、わたしが問題の中心にいたことは言い訳できない。
そして、最悪のケースが、わたしの行動が問題視されて、本来の保護者ではない近江家から追い出されてしまうことだ。
もし、そんなことが起こってしまったら、わたしはあの忌々しい本当の家に戻らなくてはならなくなる。