次の日も、わたしに対する嫌がらせは続いていた。

 上履きは学校からの厚意(というのも変な話だが)で貸し出してくれたものをそのまま鞄に入れているので、前みたいにボロボロにされるということはないのだが、問題はそれだけでは留まらなかった。

 まず、朝の教室に入ってみると、わたしの机の中の教科書が何冊か、ビリビリに破かれて机の上に置いてあった。

 おそらく、わざわざ放課後誰もいなくなった時間を見計らってやったのだろう。教室の鍵の管理といっても、職員室の管理場所から日直の振りなどをして取っていくことは容易なので、教室の潜入自体は簡単なものだ。

 幸い、わたしはこういうこともあるかと思って登校時間を早めていたので、クラスメイトの数人にしか目撃されなかった。

 ただ、その数人の生徒たちは、わたしがさも当たり前のようにその残骸を片づけている間も、わたしに誰も話しかけてこなかった。

 さわらぬ神に祟りなしってことを、この人たちはよくわかっているのかもしれないし、もしかしたら、こういうことをした犯人に心当たりがあるのかもしれない。

 わたしが霧島(きりしま)伊丹(いたみ)に呼び出されている様子は、結構目立っていたし……。

 うん、でも同情されるよりも、こういう扱いをしてくれた方がよっぽどいいのかもしれない。