「えっ、それって、どういうこと……?」
智子は、すぐにわたしの言ったことを理解できなかったらしく愕然としていた。
昼休み、いつものように体育館裏に来たわたしは、一緒に来た智子に向かって開口一番にこう告げた。
『もう、わたしの友達じゃなくていいから』
そんなことを言われるなんて、全く予想していなかったのか、智子は呆然と立ち尽くしている。
わたしは腕を組みながら、できるだけ抑揚のない声で、智子に先ほどいったことと同じ言葉を口にする。
「だから、もうあなたとはご飯も一緒に食べないし、図書室で勉強もしない。休日に映画も見に行かないし、勧めてくれた本だって読まないって言ってるの」
「どうして……急に……」
元々、智子とは、わたしが学校生活を円滑に進めていくために必要な存在だっただけだ。最初からいっているが、わたしは本気で、智子と友達になりたかったわけじゃなくて、ただ彼女を利用しようとしただけだ。
だけど、もはや彼女の存在は、わたしにとってマイナス要因にしかならない。
必要が、なくなってしまった。
だから……。