なるほどね、こういうことをしてくるのか。
昨日のうちにやったのか、それとも早朝に来てやったのか、そんなことはどうでもよかったが、誰がやったのかは、一目瞭然だった。
やりかたもスタンダートすぎて、思わず笑みがこぼれてしまう。
こんなわたしを笑わせることができるなんて、大したものだと思う。
その点に関しては、あの2人を評価してあげてもいいな、なんて下らないことを考えていると、ボロボロの上履きの下に、一通の手紙が置いてある。
「ラブレターなわけ、ないよね」
そんな皮肉を呟いて、ご丁寧に便箋に入れられたその手紙を確認する。
殴り書きの文字で、こう記されてあった。
『あんたの学校生活を、無茶苦茶にしてやるから覚悟してね』
「……ほんと、ひねりがなさすぎ」
わたしはその手紙をその場でビリビリに破く。
もしかしたら、霧島や伊丹がどこかで見ているかもしれないが、そんなことはお構いなしだ。
わたしの奇行に、何人かの生徒が不審な目を向けてくる。だけど、そんなことはどうでも良かった。
ただ、もし霧島や伊丹がこの場に居るのなら、彼女たちに言ってやりたい。