次の日から、彼女たちのわたしに対する『報復』が始まった。
「愛美お姉ちゃん? どうしたの?」
朝の登校時、下駄箱の前で呆然とするわたしに、憂ちゃんは心配そうな声で話しかけてくる。
「うん……別に何でもないよ。それよりわたし、ちょっと用事を思い出したから、先に行ってて」
「えっ? ……うん、わかった」
憂ちゃんは、怪訝そうな顔をしたが、特に詮索することなく、自分のクラスの教室へと向かった。
そして、憂ちゃんの後ろ姿が完全に見えなくなったところで、わたしは下駄箱から自分の上履きを取り出した。
もはや原型を留めていない、上履きを……。