おいおい、こいつら、暴力にも躊躇がないのかよ……。

 おまけに、人が話しているところなんだから、最後までちゃんと聞いてほしかったんだけど。

 まぁ、最後まで聞いてくれていたとしても、結果は同じなんだろうけどさ。

「あたしたちはね、別にあんたに謝ってほしいとか、そういうわけじゃないの。ただね、あたしたちの友達がややこしいことになっちゃったっていうのは、ちょ~っと許せないんだよね」

「……報復ってことですか?」

「そう受け取ってもらって構わないわ。まぁ、あたしたちにとっては、ただの暇つぶしなんだけどね」

 満足したのか、霧島は最後にわたしの頭を髪の毛ごと乱暴に撫でると、「行くわよ」といって、伊丹がわたしから手を離した。

「今日は挨拶ってことだけど、これからの学校生活、あたしたちが卒業するまでは、覚悟することね」

 そんな言葉を言い残して、二人はわたしを置いて去っていく。

 しばらく地面に膝をつけていたわたしは、昼休みのチャイムが鳴ってようやく、動けるくらいには苦痛が和らいでいた。