『今日、どこかに遊びに行かない?』
「マジか……」
朝一番、ため息とともにわたしの口から出た言葉は、そんな呆れた台詞だった。
どこかに遊びに行くだって?
このわたしが、クラスメイトと遊びに行くなんて、絶対にありえない。
もうこれは、確実に契約の範囲を超えている。
わたしはすぐに画面をタップして文章を作成する。
そういえば、わたしも随分と文字を打つのが上手くなってきた。最初に買ったときに比べれば、文字入力を失敗することもなくなっている。
そう……智子はせいぜい、スマホ初心者のいい練習相手になってくれただけの存在だ。
智子はこれ以上、わたしと関わるべきではないのだ。
――わたし自身のためにも。
――そして、智子のためにも。