それから、学校内外でも、智子から時々連絡が届いた。
『今日は楽しかったね』
『愛美ちゃん、さっきの授業、うたた寝してたでしょ?(笑)』
『夜も暑くなってきたね。湿気が強いから、もうすぐ梅雨なのかな?』
本当に、雑談というか、どうでもいい話ばかりだった。
だから、わたしは「うん」だとか「そうだね」とか、曖昧な返事しか送らなかったし、盛り上がる話なんて一度も展開されなかったと思う。
そういう時に便利なスタンプという機能もあるみたいだけど、それはそれでなんだか恥ずかしいので、当たり障りのない文章で返答することに徹した。
正直、学校の外でまで智子の相手をするのは、わたしたちが築きたい関係とは離れてしまっているような気がする。
だけど、近江家にいるときのわたしは、疎外感というか、どうしようもない居心地の悪さのようなものを感じてしまっていたので、いい暇つぶしにはなったし、学校でもスマホを触っていれば、誰かに話しかけられることもなかった。
本とか読んでる人に話しかけるのって何だか憚られるあの感覚。あれのスマホ版を実装したわけだ。
こういうこともあって、わたしは智子と友達のフリをすることに、それなりの利点を見出してきていたところで、次の日曜日の朝、智子からこんな連絡が入っていた。