この後も、どの数字を選んだらいいのか、などという、世界一どうでもいい家族会議が開催されていた。

 それゆえの通知121件である。

 …………何やってんだろ、この人たち。

 っていうか憂ちゃん。わたしには通知を切るように指示しておきながら、自分はちゃんと返信してるじゃないか。

 まぁ、あの子はなんだかんだ言って、家族のこと好きだからな。

 わたしとは、大違いである。

「ふふっ、何だか楽しそうな人たちだね」

 智子はわたしが触っていたスマホの画面を覗きながら笑みを溢していた。

 ここは、「人のスマホの画面を勝手に見るのはマナー違反だよ」と忠告してあげるべきかもしれなかったが(今まで携帯を持っていなかった人間でもそれくらいは知っている)彼女の楽しそうな顔を見ていると、怒る気にもなれなかった。

「変な人たちだよ、ホント……」

 だから、せめてもの反抗として、わたしは疲れた声でそう呟いた。