と尋ねてきた。その口調がわりと強めだったことから、私はびくりと肩を上げる。
 ……しまった。失敗したかも。
「ち、ちが……き、聞こえてきただけで」
「ていうか、神谷さんと紺野さんて同中? 友達なの?」
「い……いや、違うけど」
「本人に確認したわけ?」
「……ううん」
 そこまで話すと、その子は鼻を鳴らして、あきれたようなため息をついた。私が劣勢になったのは明らかだ。もう、なにも言いかえせない。
「あ、試合終わった。次、うちらの番じゃん」
「ホントだ」
 結局、そこで話は終わって三人は腰を上げてコートへ向かった。私も次だったので、そのうしろをとぼとぼと歩く。
「なんだったの? 今の」
「さあ」
「ていうか、あの子も入学してからいっつもひとりだよね」
「なんか、わかる感じ」
 私がうしろにいるって気付いていないのか、それとも聞こえてもいいと思っているのか、話しながら歩いていく三人。
 あぁ、ほら、出しゃばってもいいことないってわかってたのに……。