人ふたり分くらい横で壁に寄りかかっている女子三人の声が聞こえてきた。ボールやシューズの音や応援の声で周囲に聞こえないと思っているのだろうけれど、ぼっちで座っている私には、聞きたくなくても陰口が聞こえてくる。
私は、反対側の壁に寄りかかって見学している神谷さんを見た。体操着姿の彼女は座っていてもスタイルがいいのがわかり、体育のときだけしているポニーテールもよく似合っている。私と違って、ひとりでいるのがとても目立っていた。
「私、昨日、お弁当一緒に食べようって声をかけたんだけどさ、すっごくそっけなかった。ひとりでいいから、だって」
「そうなんだ。そういうの傷付くよね」
「坂木くんとか大田くんとか、男子としゃべってるのは見たことあるけど、女子に対してはバリア張ってる気がする」
……なんか、嫌だな。本当にこういうの聞きたくないんだけど、神谷さんは注目されがちだから、よく噂されている。
「私、神谷さんと同中だった人から聞いたことあるんだけどさ、中三のとき、社会人の男の人と付き合ってたんだって」
「マジ? それ大丈夫なの? お金貰ってるんじゃない?」
私は、反対側の壁に寄りかかって見学している神谷さんを見た。体操着姿の彼女は座っていてもスタイルがいいのがわかり、体育のときだけしているポニーテールもよく似合っている。私と違って、ひとりでいるのがとても目立っていた。
「私、昨日、お弁当一緒に食べようって声をかけたんだけどさ、すっごくそっけなかった。ひとりでいいから、だって」
「そうなんだ。そういうの傷付くよね」
「坂木くんとか大田くんとか、男子としゃべってるのは見たことあるけど、女子に対してはバリア張ってる気がする」
……なんか、嫌だな。本当にこういうの聞きたくないんだけど、神谷さんは注目されがちだから、よく噂されている。
「私、神谷さんと同中だった人から聞いたことあるんだけどさ、中三のとき、社会人の男の人と付き合ってたんだって」
「マジ? それ大丈夫なの? お金貰ってるんじゃない?」