木曜日。今日は朝から雨が降っていたこともあり、体育は男女ともに体育館だった。
 うちの体育の授業は、男女別のふたクラス合同だ。先生の指示でクラスごとに二、三チーム作り、クラス対抗で試合をすることになった。女子はバレーだけれど、男子はバスケのようだ。
 最初見学になった私は、ひとりでぽつんと座りながら、男子の試合を見ていた。昨日の興奮がまだ冷めやらなかったからだ。
 バスケをしている坂木くんが目に入る。男子たちの中では背が高いほうではないけれど、動きがすばしっこくてチームの中でいい働きをしている。パスしたボールがシュートにつながって得点になったときには、ものすごく嬉しそうに仲間とハイタッチ。まさに、青春という感じだ。
 やっぱり、アラタなんだよな……。
 あの爽やかさも、アラタだ。あの笑顔も、アラタだ。遠目から見ても、アラタだ。
「ねぇ、神谷さん、やっぱりひとりだね」
「ホントだ」