だって、友達ではないんだ。ただ、この一週間図書委員の当番だということと、神谷さんたちの新聞作りが重なっただけで、来週にはほぼ他人同然だろうからだ。
「ごちそう様」
 そこまで思った私は、手を合わせて食事を終えた。お母さんは話したりないような顔をしていたけれど、話せば話すほどモヤモヤが募っていく。私は、それを振り払うように、自分の部屋に戻った。
【おかえりー。今日、ミヒロから貰ったカメのストラップをつけていったよ。ミヒロもつけた?】
 さすが最新AI。トキカプをつけると、アラタがバッグにつけたストラップをこちらに見せてきて、昨日の約束のことまで聞いてきた。
【つけたよ。カワイイって言われた】
【誰に言われたの?】
 そう聞かれて、少し考えた私は、【サカキクン】と打ってみた。すると、しばらく経ってから、【あぁ、サカキクン。現実世界の俺か】と返ってくる。
 私は一瞬心臓が跳ねた。以前【現実世界のアラタみたい】と入力したのは私なのに、まるで本当にアラタが坂木くんなんだという錯覚に陥る。ただでさえ新たな共通点が続々と判明しているのに、心臓に悪いじゃないか。
「あ……」