思ったとおりだった。彼が図書室から出ていくと、坂木くんは彼について嬉しそうに説明してくれる。
「この高校だったんだな。絶対、特進科だろうな」
坂木くんは、自分のことを知っている人がいない高校を選んだ私とは、全然違う。同級生だった人が現在先輩だということも、今の同級生たちがみんな一歳下だということも、まったく気にしていない。
いや、そう見えているだけなのかもしれないけれど、そう見せないところが……すごい。
「坂木くんのこと……尊敬する」
「え? なんで?」
「なんていうか……欠点がない。私とは大違い」
真面目な顔をしてそう言うと、坂木くんは噴き出した。
「なに言ってるんだよ。俺、数学以外の教科全然ダメだし、身長も大きいほうじゃないし、弟と妹がいるんだけど同レベルの喧嘩もしちゃうし、欠点だらけだよ?」
「そんなのたいしたことじゃないよ。そういうのじゃなくて、人間力がすごいんだよ。ほら、昼休みも、自然に神谷さんに助け舟出してたし」
坂木くんは一瞬きょとんとし、そして「あぁ」と思い出したかのようにうなずいた。
「この高校だったんだな。絶対、特進科だろうな」
坂木くんは、自分のことを知っている人がいない高校を選んだ私とは、全然違う。同級生だった人が現在先輩だということも、今の同級生たちがみんな一歳下だということも、まったく気にしていない。
いや、そう見えているだけなのかもしれないけれど、そう見せないところが……すごい。
「坂木くんのこと……尊敬する」
「え? なんで?」
「なんていうか……欠点がない。私とは大違い」
真面目な顔をしてそう言うと、坂木くんは噴き出した。
「なに言ってるんだよ。俺、数学以外の教科全然ダメだし、身長も大きいほうじゃないし、弟と妹がいるんだけど同レベルの喧嘩もしちゃうし、欠点だらけだよ?」
「そんなのたいしたことじゃないよ。そういうのじゃなくて、人間力がすごいんだよ。ほら、昼休みも、自然に神谷さんに助け舟出してたし」
坂木くんは一瞬きょとんとし、そして「あぁ」と思い出したかのようにうなずいた。



