アラタと約束したからつけてきたんだけど、そう言われると嬉しい。
「俺、小さい頃からカメ大好きなんだよね。ずっと飼ってた し」
「へ……へぇ、そうなんだ」
 あれ? また……。
 アラタとの共通点にまた内心驚きながらも、うなずく。そして、おそるおそる遠回しに尋ねてみた。
「坂木くん、昨日誕生日だって言ってたけど……バースデーケーキとか食べた?」
「うん、食べた食べた」
「もしかして、甘いもの、好き?」
「好きだよ。成長したら男はそんなことなくなるのかな、って思ってたけど、今でも全然好き。とくに洋菓子」
 ごくり、と生唾を飲む。ありふれた会話のはずなのに、心拍数が上がっていく。
「……ハハ、そうなんだ。おいしいよね、マカロンとか」
「そう! マカロンは絶品。ケーキよりも好きで、親戚はそれを知ってるから、お土産に買ってきてくれるんだ」
「…………」
 なんてことだ。ここまで合致していると、もうひとつも聞きたくなる。
「フライドポテトも、もしかして好き?」
「うん、すっげー好き。祭りとか行ったらふたつは買って食べる」
「おいしいよね」
「つーか、嫌いなヤツいないんじゃない? ポテト」