『理不尽なことには慣れてるし。それに、私に関わると、周りから変なふうに言われるから』
昼に言われた言葉を思い出し、彼女がこれまで受けてきた不条理が想像できる。美人てだけで、物静かで表情が乏しいってだけで、たくさんの誤解を受けてきたんだろうな。
やはり、理由はなんであれ、注目されるといいことがないんだ。そう結論づけた私は、足を速めた。
図書室に着くと、今日はすでに他の生徒がいた。本を選んでいるのが男女ひとりずつと、奥の自習スペースに女子がひとりだ。少し離れて、大田くんと神谷さんが座っている。
坂木くんは、カウンターの中からこちらを見て、微笑みながら手を上げた。いつも、本当に爽やかだ。
「今日は人がいるから、オセロできないな」
折りたたみ椅子に座ると、坂木くんが小声で言ってきた。
「そうだね」
私は、横にバッグを置きながら苦笑い。
「あ、そういえば」
すると、坂木くんが私のバッグに目を落として口を開いた。
「教室でも、紺野のバッグを見て思ったんだけど、そのカメのストラップかわいいね」
「あぁ、うん。ありがとう」
昼に言われた言葉を思い出し、彼女がこれまで受けてきた不条理が想像できる。美人てだけで、物静かで表情が乏しいってだけで、たくさんの誤解を受けてきたんだろうな。
やはり、理由はなんであれ、注目されるといいことがないんだ。そう結論づけた私は、足を速めた。
図書室に着くと、今日はすでに他の生徒がいた。本を選んでいるのが男女ひとりずつと、奥の自習スペースに女子がひとりだ。少し離れて、大田くんと神谷さんが座っている。
坂木くんは、カウンターの中からこちらを見て、微笑みながら手を上げた。いつも、本当に爽やかだ。
「今日は人がいるから、オセロできないな」
折りたたみ椅子に座ると、坂木くんが小声で言ってきた。
「そうだね」
私は、横にバッグを置きながら苦笑い。
「あ、そういえば」
すると、坂木くんが私のバッグに目を落として口を開いた。
「教室でも、紺野のバッグを見て思ったんだけど、そのカメのストラップかわいいね」
「あぁ、うん。ありがとう」



