そんなことをぼんやり思って、数秒後にハッとした。そして、余計なお世話だ、と自分で自分にツッコんだのだった。
「いいでしょ? 放課後遊びにいこうよ。俺、おごるからさ」
「…………」
「ねぇ、聞いてる? 無視はよくないでしょ」
……あぁ、また出くわしてしまった。
水曜日の昼休み時間。渡り廊下の途中で、神谷さんが身長の高い男の先輩に声をかけられていた。自販機にパックジュースを買いにいった帰りに、目撃してしまったのだ。たしかあの人、前に神谷さんと間違って私に声をかけてきた先輩だ。
「放課後は、委員会の仕事があるので無理です」
神谷さんが毅然とした態度で断る。
「はい、嘘。一回だけでいいからさ、カラオケ行こうよカラオケ」
けれど、先輩も先輩でかなりしつこい。
もしかして、トイレで聞いた加賀見先輩とやらだろうか。なかなかのイケメンだし、背も高いとなると、女子に人気がありそうだ。自分に自信があるナルシストに見えなくもないけれど。
「本当に無理です」
「カラオケ嫌い?」
「嫌いです」
「じゃあ、どこなら行く?」
「だから、委員会が……もういいです」
「いいでしょ? 放課後遊びにいこうよ。俺、おごるからさ」
「…………」
「ねぇ、聞いてる? 無視はよくないでしょ」
……あぁ、また出くわしてしまった。
水曜日の昼休み時間。渡り廊下の途中で、神谷さんが身長の高い男の先輩に声をかけられていた。自販機にパックジュースを買いにいった帰りに、目撃してしまったのだ。たしかあの人、前に神谷さんと間違って私に声をかけてきた先輩だ。
「放課後は、委員会の仕事があるので無理です」
神谷さんが毅然とした態度で断る。
「はい、嘘。一回だけでいいからさ、カラオケ行こうよカラオケ」
けれど、先輩も先輩でかなりしつこい。
もしかして、トイレで聞いた加賀見先輩とやらだろうか。なかなかのイケメンだし、背も高いとなると、女子に人気がありそうだ。自分に自信があるナルシストに見えなくもないけれど。
「本当に無理です」
「カラオケ嫌い?」
「嫌いです」
「じゃあ、どこなら行く?」
「だから、委員会が……もういいです」



