坂木くんは、うしろの席だからこそわかる私の挙動不審さを説明してくれる。
そうなのだ、家にずっといたときには時間があり余っていて、いろんなことをゆっくりじっくり考えたり空想したりしていた。そのクセが、いまだに抜けないのだ。
「引きこもりの後遺症かと……」
「後遺症って、ハハ、ウケる」
よかった、ウケてくれた。坂木くんの笑顔につられて、私もほんの少し口角を上げる。
そのとき、図書室のドアが開いて、ふたり組が入ってきた。大田くんと神谷さんだ。
「あ、来た来た。お疲れー 」
「邪魔する」
「お邪魔します」
坂木くんがぶんぶんと手を振ると、ふたりは小さく会釈をしてこちらに来た。そして、きょろきょろと周りを見回す。
「司書の先生は?」
「普段、放課後はいないんだって。四時に帰るらしくて」
「そうか」
大田くんは顎をさすって、またきょろきょろする。
「本を貸し借りしているところを写真で撮りたい」
「あー……今のところ誰も来てないや」
「そうか」
そう言って鼻で息をつくと、大田くんと神谷さんは、奥の自習スペースのテーブルへと歩いていった。
「写真撮られるときには、オセロを隠さなきゃな」
そうなのだ、家にずっといたときには時間があり余っていて、いろんなことをゆっくりじっくり考えたり空想したりしていた。そのクセが、いまだに抜けないのだ。
「引きこもりの後遺症かと……」
「後遺症って、ハハ、ウケる」
よかった、ウケてくれた。坂木くんの笑顔につられて、私もほんの少し口角を上げる。
そのとき、図書室のドアが開いて、ふたり組が入ってきた。大田くんと神谷さんだ。
「あ、来た来た。お疲れー 」
「邪魔する」
「お邪魔します」
坂木くんがぶんぶんと手を振ると、ふたりは小さく会釈をしてこちらに来た。そして、きょろきょろと周りを見回す。
「司書の先生は?」
「普段、放課後はいないんだって。四時に帰るらしくて」
「そうか」
大田くんは顎をさすって、またきょろきょろする。
「本を貸し借りしているところを写真で撮りたい」
「あー……今のところ誰も来てないや」
「そうか」
そう言って鼻で息をつくと、大田くんと神谷さんは、奥の自習スペースのテーブルへと歩いていった。
「写真撮られるときには、オセロを隠さなきゃな」