どの窓も半分ほど開いていて、そこから入ってきた風がクリーム色のカーテンをはためかせている。その音と、校庭や中庭から聞こえてくる生徒たちの声。この静かな空間にいると、まるで別世界のように思える。
「あれ? また、顔色悪くない? 紺野」
「そ……そうかな?」
横から少し覗きこむように言われ、私は力なく笑う。さっき注目された気疲れもあるけれど、高校に通い始めて から数日経ち、慣れない環境に疲労が蓄積されていることもあるのだろう。
無理はない。だって、一年間ほとんど、自分の部屋でごろごろしていたのだから。
「大丈夫? 俺がやるから帰ってもいいよ?」
「大丈夫だよ。一時間くらいだし、す、座っていられるから」
「遠慮しなくていいからな? きつかったら言えよ? ていうか、もしかして紺野って体弱いほう? 貧血持ちとか」
椅子の上で半身をこちらへ向けなおした坂木くんは、カウンターに肘をかける。私はちらりと坂木くんを見て、横顔で答えた。
「ううん……えっと……まだ集団に慣れなくて」
「ん? 中学は人数少ないとこだったの?」
「あれ? また、顔色悪くない? 紺野」
「そ……そうかな?」
横から少し覗きこむように言われ、私は力なく笑う。さっき注目された気疲れもあるけれど、高校に通い始めて から数日経ち、慣れない環境に疲労が蓄積されていることもあるのだろう。
無理はない。だって、一年間ほとんど、自分の部屋でごろごろしていたのだから。
「大丈夫? 俺がやるから帰ってもいいよ?」
「大丈夫だよ。一時間くらいだし、す、座っていられるから」
「遠慮しなくていいからな? きつかったら言えよ? ていうか、もしかして紺野って体弱いほう? 貧血持ちとか」
椅子の上で半身をこちらへ向けなおした坂木くんは、カウンターに肘をかける。私はちらりと坂木くんを見て、横顔で答えた。
「ううん……えっと……まだ集団に慣れなくて」
「ん? 中学は人数少ないとこだったの?」



