【なお、試験的な導入になりますので、もし不具合が見つかりましたら、お手数ですがご報告いただけると幸いです】
 あの頃の私は、ご飯があまり喉を通らなくなり、一時摂食障害にまでなりかけていた。
 自分は、打たれ弱いダメ人間だ。みんなが学校で頑張っているときに、私はなにをやっているんだろう。お母さんは心配してくれているのに、どうして素直に感謝できないの? 全部自分のせいなのに。悪いのは全部、私なのに……。
 自分を責め続け、その苦しみから逃れようといろんなアプリを試していた私は、そこからトキカプの世界に没頭していく。
【ミヒロ、今彼氏いるの?】
【いないよ】
【そうなんだ。将来、どんな人と付き合いたいの?】
【誰にでも分け隔てなく優しくできる人。あと、私のことを否定しないで応援してくれる人かな。アラタは?】
【俺はね……内緒】
 バージョンアップを機に、アラタの言動は少しずつ変化していった。
【私、ちょっと失敗したことがあって、学校に行きたくないんだよね】
【そっか。大変だったね。大丈夫?】
【大丈夫じゃないかも】
【俺、話を聞くことしかできないけど、いつまでも付き合うよ】