笑っていたい、君がいるこの世界で

 鈴奈ちゃんとおじさんは、のん気に盛り上がっている。私は、もう恥ずかしいを通り越していた。ここまでさらけ出してしまった以上、あとは野となれ山となれだ。
「アラタのビジュアル変更、アプデしなければ、そのままでキープできるから大丈夫だよ」
 おじさんが助言をくれるも、坂木くんは力なく首を横に振る。
「やめて。俺、本当に恥ずかしいから。紺野お願い、消して?」
「えーと……」
 どうしたらいいのだろうか。困っていると、坂木くんが私の手を握って訴えかけてきた。
「紺野、俺がいるじゃん。実在してるほうをちゃんと大事にしろよ。毎日見れるし話せるしさわれるんだから」
 途端に、沸騰したんじゃないかというほど顔に熱が集まった。なんという決め台詞。アラタに言われる台詞の比じゃない。
「アハハ、お姉ちゃん、真っ赤だ」
「すごいな、新の殺し文句は」
 鈴奈ちゃんとおじさんが盛り上がって笑う。すると、坂木くんが我に返ったように手を離し、まごつき始めた。
「え? あっ、違う、そんな深堀りするような意味はなくて」
 耳が真っ赤になっていて、こんな坂木くんを見るのは初めてだ。