私は、坂木くんがみんなと壁がないのは、生まれつきみたいなものだと思っていた。最初から完璧な人だと思っていた。そんなふうにたくさん悩んで考えた末に今の坂木くんがいるなんて、ちっとも思っていなかったんだ。
『坂木くんみたいな完璧な人にはわからないよっ!』
そんなことを言ってしまった自分が恥ずかしい。
「だから、それを紺野にも押しつけたのかもしれない。最初からあきらめようとしてるのを見て、ほっとけなかった。紺野にとっては難しいことだっていうのは十分わかってたけど、紺野の心につっかえてるものを、些細なこと だと思えるように練習をしてもらいたいなって……そう思ったんだ」
目から頬、そして顎へと、生温いものがひと筋伝ったのを感じた。涙がひと粒、ぽつりと膝の上のこぶしに落ちる。
「まぁ、もうできたみたいだからよかったけ……え? ちょっと待って紺野、なんで泣くの?」
「ごっ、ごめん……ほ、本当に……ごめん」
ごしごしと目をこすり、ごめんを繰り返す。自分の浅はかさが嫌になる。坂木くんに比べて、自分はなんて子どもだったんだろう。
『坂木くんみたいな完璧な人にはわからないよっ!』
そんなことを言ってしまった自分が恥ずかしい。
「だから、それを紺野にも押しつけたのかもしれない。最初からあきらめようとしてるのを見て、ほっとけなかった。紺野にとっては難しいことだっていうのは十分わかってたけど、紺野の心につっかえてるものを、些細なこと だと思えるように練習をしてもらいたいなって……そう思ったんだ」
目から頬、そして顎へと、生温いものがひと筋伝ったのを感じた。涙がひと粒、ぽつりと膝の上のこぶしに落ちる。
「まぁ、もうできたみたいだからよかったけ……え? ちょっと待って紺野、なんで泣くの?」
「ごっ、ごめん……ほ、本当に……ごめん」
ごしごしと目をこすり、ごめんを繰り返す。自分の浅はかさが嫌になる。坂木くんに比べて、自分はなんて子どもだったんだろう。



