坂木くんも身を乗り出して言ってきた。アラタが長い髪が好きだから、てっきり坂木くんもかと思っていた。
「坂木って、ホント、ナチュラルタラシだよな?」
「違うよ。本音を言っただけだって」
「ほら、そういうところ」
 わちゃわちゃしている坂木くんと江藤くんの横で、大田くんは頬杖をつきながらウトウトしている。今のところ、真面目に調べものをしている人は皆無だ。
「あのさ、とりあえず手分けしよう。私と神谷さんはここをまとめるから、坂木くんたちはこれを調べて。あ、付箋はこれ使っていいよ。発表の流れも決めなきゃね。この部分で問題提起をして、これを最後に持ってきたら締まると思うから……」
 このままじゃ一日やっても終わらないと思った私は、効率よく進められるように提案する。そしたら、坂木くんが腕組みをしてうなずきながら、
「どうよ?」
 と江藤くんに言った。
「なんで坂木が得意げなんだよ」
 江藤くんのツッコミに、神谷さんもプッと噴き出していた。
「おい、オオタン、起きろ」