神谷さんが明らかに眉間にシワを寄せたけれど、江藤くんがあまりにも頭を下げるものだから、しぶしぶ了承している。そして、あっという間に、五人グループができあがってしまった。
「えー、今から用紙を配布しますが、それぞれに割り当てられた内容をまとめて、明日代表に発表してもらいます。この時間内に終わらなければ、今日中に協力して仕上げてください」
 先生の説明を聞きながら、教室でこの四人に囲まれている状況にソワソワして膝をこすり合わせる。不思議な気持ちと嬉しい気持ちが混ぜ合わさっている。
「紺野さん、思い切ったわね」
 先生の説明が終わって各自話し合いや調べものに入ると、神谷さんが急に声をかけてきた。指をはさみのかたちにし、自分の髪の毛を切るような仕草を見せてくる。
「似合ってる」
 その言葉に「ありがとう」と返して、自分の髪に触れてみた。自分史上一番短いボブヘアにした髪は土曜日に切ったのだけれど、まだ慣れなくて首もとがスースーする。
「うん、びっくりしたけど似合ってる。俺、そのくらいの長さ、好きなんだよね」