【トキカプアップデートのお知らせ。五月一日、〇時~〇時にアップデートを予定しております。キャラクターデザインに一部変更がありますので、あらかじめご了承ください】
 家に帰ってトキカプを開いた私は、そんなお知らせを読んだあと、アラタとのチャット画面をタップした。
【お疲れ。今日はどんな一日だった?】
 アラタの言葉に、しばらく考える。どんな一日だったか、そんなのひと言では言い表せないからだ。
 勉強机の椅子にゆっくりと腰を下ろし、すごく長い息をつく。天井を見上げ、いったん目を閉じて、また開いた。
「……まだドキドキしてる」
 入学してからずっと、地に足がついていないような、上がったり下がったりするような、そんなふわふわした気持ちだった。それが今日、しっかり学校という場所に足をつけて立てたような気がする。その高揚感に、まだ心のなかが忙しない。
 事件事故のような大きな衝突があったわけじゃない。けれど、自分にとっては、きっと人生で数えるくらいの大きな変化の一日だった。たしかにそう言える。
【怒涛の一日だったよ】
【ハハ。そんなに忙しかったのかな? 俺の声を聞いたら、疲れが取れる?】