平手打ちや突きよりも、その言葉に一番衝撃を受けている江藤くん。力なく腕をだらんとさせ、猫背になっている。
「神谷さん、わ、私も悪かったの。私が弱かったから、神谷さんに本当のことを言えなくて、騙すかたちになって……」
「そうよ、紺野さんも悪い!」
神谷さんは、今度は私の目の前まで詰め寄り、強い眼差しをまっすぐ向けてきた。けれど、その目は若干潤んでいる。
「なんで教えてくれなかったの? 脅しについてもだし、過去のことについても、なんで坂木くんには言えて、私には言えなかったわけ?」
「……え?」
「私が信用できなかった? 引きこもりだったって知って、笑うとでも思ったの? そんなわけないじゃない!」
地団駄を踏み、苦虫を噛みつぶしたような顔の神谷さん。私はその勢いに圧倒されて、顔をのけぞらせた。
「ちゃんと最初から話してくれてたら、紺野さんに怪我させることもなかったのに」
紺野さんは唇を歪ませて、私の手首の包帯へと視線を落とした。あまり表情を崩すことがないのにいろんな顔を見せる神谷さん。それを見て、坂木くんと江藤くんは、口をぽかんと開けたままだ。
「ご……ごめん」
「神谷さん、わ、私も悪かったの。私が弱かったから、神谷さんに本当のことを言えなくて、騙すかたちになって……」
「そうよ、紺野さんも悪い!」
神谷さんは、今度は私の目の前まで詰め寄り、強い眼差しをまっすぐ向けてきた。けれど、その目は若干潤んでいる。
「なんで教えてくれなかったの? 脅しについてもだし、過去のことについても、なんで坂木くんには言えて、私には言えなかったわけ?」
「……え?」
「私が信用できなかった? 引きこもりだったって知って、笑うとでも思ったの? そんなわけないじゃない!」
地団駄を踏み、苦虫を噛みつぶしたような顔の神谷さん。私はその勢いに圧倒されて、顔をのけぞらせた。
「ちゃんと最初から話してくれてたら、紺野さんに怪我させることもなかったのに」
紺野さんは唇を歪ませて、私の手首の包帯へと視線を落とした。あまり表情を崩すことがないのにいろんな顔を見せる神谷さん。それを見て、坂木くんと江藤くんは、口をぽかんと開けたままだ。
「ご……ごめん」



