それを口に出して言う勇気が、まだないのだ。坂木くんは知っているけれど、神谷さんにはまだ言っていなかった。これを言うことで、神谷さんにどんな目で見られるのかと思うと、口をつぐんでしまう自分がいる。
でも……。私はきゅっと唇を結んで顎を引いた。
神谷さんには伝えたい自分もたしかにいる。なぜかわからないけれど、彼女なら偏見で私を見ないだろうという確信めいたものがあった。坂木くんは、腕組みをしながら、私と神谷さんを見ている。
「私……」
意を決して、そう口を開いたときだった。
「紺野」
保健室の入口から、今度は江藤くんが入ってきた。そして、坂木くんと神谷さんがいることに驚き、声を上げる。
「わっ! なんでいるんだ?」
すると、坂木くんの顔色が変わった。点と点がつながったような顔をして、江藤くんを射るように見る。
「エトジュン、お前、もしかして……」
私は、坂木くんのその聞いたこともないような低くて硬い声色に、ハッとした。もしかしたら、なにか思い違いをしているのかもしれない。
「は? なんだよ、坂木。そんな怖い顔をして」
「エトジュン、なんでここに来たんだよ?」
でも……。私はきゅっと唇を結んで顎を引いた。
神谷さんには伝えたい自分もたしかにいる。なぜかわからないけれど、彼女なら偏見で私を見ないだろうという確信めいたものがあった。坂木くんは、腕組みをしながら、私と神谷さんを見ている。
「私……」
意を決して、そう口を開いたときだった。
「紺野」
保健室の入口から、今度は江藤くんが入ってきた。そして、坂木くんと神谷さんがいることに驚き、声を上げる。
「わっ! なんでいるんだ?」
すると、坂木くんの顔色が変わった。点と点がつながったような顔をして、江藤くんを射るように見る。
「エトジュン、お前、もしかして……」
私は、坂木くんのその聞いたこともないような低くて硬い声色に、ハッとした。もしかしたら、なにか思い違いをしているのかもしれない。
「は? なんだよ、坂木。そんな怖い顔をして」
「エトジュン、なんでここに来たんだよ?」



