笑っていたい、君がいるこの世界で

 喉がぎゅっとしぼみ、飲みこもうとした唾が飲みこめない。唇が一瞬で冷たく乾いたような気がして、無理に笑おうとした口がうまく動かなかった。震える唇を、かろうじて開ける。
「……これ……」
「もし嘘だったら悪質だから、紺野さんに確かめようかと思って。ほら、紺野さん、噂話とか許せないタイプっぽいからさ」
 周りをちらりと見回すと、みんながこちらに注目しているようだった。実際全員ではなく半分もいないのだろうけれど、私にはそう見えた。晒し者のようだ。逃げ場がなくて、私はまた、そのスマホ画面に目を戻す。
 グループトーク画面のようだ。人数が十二人も? すでにそれだけの人が見ているということは、ここからさらにこの情報が拡散されていてもおかしくない。
 そのとき、急に胸の奥に言いようのない気持ち悪さが生じた。そして、どこからか声が聞こえる。
『え? なにこのイラスト。目がキラッキラなんだけど』
『うわ、これ描いた人、絶対アニオタでしょ』
『あれ、カイトって書いてある。もしかして、ラビリンスボーイズのカイト?』
『じゃあ、ドルオタじゃん。ウケる』