いつもの私なら、これを聞いて、胸がキューッとなって身もだえするはずだった。けれど、この声優さんの声までもが坂木くんの声と似ている気がして、内容が頭に入ってこない。
「いやいや」
耳を離して、もう一度画面を見る。そこには、アラタの照れた顔が映し出されていた。やっぱり坂木くんに似ているその顔に、なにか悪いことをしている気になる。
「……いやいや」
私はつぶやくようにそう繰り返し、頭を振った のだった。
「今日は委員会の担当決めをします」
翌日、先生はそう言って、黒板に委員会名を書いていった。学級長、風紀、広報、図書、保健、美化、放送など、割り振り人数を全部合わせると、全員委員にならないといけないほどの数だ。
「立候補優先だから、これやりたいって決まってる人は手を挙げて」
そう言われ、ちらほらと決まったものの、半分以上は埋まらない。
「よし、じゃあ残りは五十音順で」
先生はそう言って、まだ名前を覚えていないからだろう、名簿を見ながら黒板に生徒の苗字を書いていく。
「えーと、広報委員は大田と神谷。図書委員は、紺野と坂木で……保健委員は……」
……え?
「いやいや」
耳を離して、もう一度画面を見る。そこには、アラタの照れた顔が映し出されていた。やっぱり坂木くんに似ているその顔に、なにか悪いことをしている気になる。
「……いやいや」
私はつぶやくようにそう繰り返し、頭を振った のだった。
「今日は委員会の担当決めをします」
翌日、先生はそう言って、黒板に委員会名を書いていった。学級長、風紀、広報、図書、保健、美化、放送など、割り振り人数を全部合わせると、全員委員にならないといけないほどの数だ。
「立候補優先だから、これやりたいって決まってる人は手を挙げて」
そう言われ、ちらほらと決まったものの、半分以上は埋まらない。
「よし、じゃあ残りは五十音順で」
先生はそう言って、まだ名前を覚えていないからだろう、名簿を見ながら黒板に生徒の苗字を書いていく。
「えーと、広報委員は大田と神谷。図書委員は、紺野と坂木で……保健委員は……」
……え?



