アラタの返信に、私はスマホをベッドに投げつけたくなって、すんでのところで止めた。
 なんでなんだ。今までみたいに、アラタに元気を貰えない。アラタの言葉が全然響かない。トキカプアプリ、アップデートして改悪されたんじゃないの?



 翌日 の火曜日、教室に入ると、いつもと雰囲気が違っていた。いや、雰囲気というよりも、みんなが私を見る目が違っているように思えた。
 昨日、体育館で私が神谷さんのことを『笑わないで』と声を荒らげたことで、イタイ人だと思われたのだろうか。もともと距離を取られていたけれど、もっと距離ができているようだ。
 今までだったら、席に着くと坂木くんが『おはよう』と声をかけてくれていた。けれど、席も離れたし、土曜日の衝突のこともあって、あれ以来言葉を交わしていない。神谷さんにも友達面しないでと言われたし、これから私は、誰ともしゃべらずにひとりで学校生活を送ることになるんだろう。
 机の中を整理して顔を上げると、数人のクラスメイトたちが視線を逸らした。逸らしたということは、見ていたということだ。わざとらしく友人同士での話を再開して、なんとも居心地が悪い。