神谷さんはぽつりとそう言って、ひとりで保健室に入ってドアを閉めた。中にいた保健の先生の声が聞こえる。もう、私との話は終わったんだ。
私は今来た廊下を戻りながら、ひとりでいるほうがいいと言った神谷さんの言葉を頭のなかで繰り返した。
じゃあ、なんで神谷さんは、一緒にお昼を食べようなんて言ったんだろう。なんで、映画の誘いに喜んでのったんだろう。
そして、自分のことも考えた。私は、いったいどうしたいのだろうかと。
放課後。もう図書当番はないので、私はすぐに帰ろうと支度を済ませて教室を出た。階段を下りて昇降口へと向かう。
「紺野」
けれど、呼び止められたことで、足を止めた。階段の踊り場で、江藤くんが少しバツの悪いような顔をして立っている。
「えーと……いい? ちょっと」
私と江藤くんは、この前の朝と同じように、階段下の陰で話をすることにした。立ち止まった江藤くんは、私に向き合うや否や頭を勢いよく下げてくる。
「土曜日は、ごめん!」
意外だった。江藤くんは、今日も変わりなく過ごしていたので、この前のことなど気にも留めていないと思っていたからだ。
私は今来た廊下を戻りながら、ひとりでいるほうがいいと言った神谷さんの言葉を頭のなかで繰り返した。
じゃあ、なんで神谷さんは、一緒にお昼を食べようなんて言ったんだろう。なんで、映画の誘いに喜んでのったんだろう。
そして、自分のことも考えた。私は、いったいどうしたいのだろうかと。
放課後。もう図書当番はないので、私はすぐに帰ろうと支度を済ませて教室を出た。階段を下りて昇降口へと向かう。
「紺野」
けれど、呼び止められたことで、足を止めた。階段の踊り場で、江藤くんが少しバツの悪いような顔をして立っている。
「えーと……いい? ちょっと」
私と江藤くんは、この前の朝と同じように、階段下の陰で話をすることにした。立ち止まった江藤くんは、私に向き合うや否や頭を勢いよく下げてくる。
「土曜日は、ごめん!」
意外だった。江藤くんは、今日も変わりなく過ごしていたので、この前のことなど気にも留めていないと思っていたからだ。