坂木くんが、私の両肩を押さえて勢いよく自分のほうへと向けた。まっすぐな目が、私を貫く。怒りの滲む、真剣な眼差しだ。
私たちは、さっきからのゴタゴタ続きで、周りにいる人たちから大注目を受けていた。観覧車から降りてきた江藤くんと大田くんも、こちらへ向かってくる。
「なんで中途半端にあきらめるんだよ。なんで人にわかってもらおうってしないわけ? はみだしたくないとか嫌われたくないって言って、逃げてるだけじゃん」
「坂木くんみたいな完璧な人にはわからないよっ!」
さっきよりもっと声が大きくなってしまい、頬が強張る。でも、もうそんなことはどうでもよかった。
「私はこういう人間で、こういうふうにしかできないんだから。はみだしたことがない人間には、わからない!」
「はみだしたことくらい、俺にもある! それに、完璧にできることなんてひとつもないよ! 紺野は、自分だけ特別扱いしすぎてる」
「知らない!」
強い語気がひねった手首に響いて、ズキズキとうずく。私はそのまま踵を返して出口へと走った。
私たちは、さっきからのゴタゴタ続きで、周りにいる人たちから大注目を受けていた。観覧車から降りてきた江藤くんと大田くんも、こちらへ向かってくる。
「なんで中途半端にあきらめるんだよ。なんで人にわかってもらおうってしないわけ? はみだしたくないとか嫌われたくないって言って、逃げてるだけじゃん」
「坂木くんみたいな完璧な人にはわからないよっ!」
さっきよりもっと声が大きくなってしまい、頬が強張る。でも、もうそんなことはどうでもよかった。
「私はこういう人間で、こういうふうにしかできないんだから。はみだしたことがない人間には、わからない!」
「はみだしたことくらい、俺にもある! それに、完璧にできることなんてひとつもないよ! 紺野は、自分だけ特別扱いしすぎてる」
「知らない!」
強い語気がひねった手首に響いて、ズキズキとうずく。私はそのまま踵を返して出口へと走った。