「それを知ってるのに、江藤くんに協力したってことでしょ?」
なにも言えない。
「紺野さんは、他の人と違うって思ってたのに」
弁解する資格もない。
「友達になりたいって……初めて思えた人だったのに……」
神谷さんの声が、少しかすれて聞こえた。下を向いているから、その顔はキャップのツバで影になっている。
「……最低」
そのひと言が、私の心にめりこむように重くのしかかった。喉が詰まって、うまく息ができない。
うつむいた私たちふたりを乗せて、観覧車がゆっくりと下がっていく。私は取り繕う言葉を探したけれど、もうなにを言っても遅いと悟った。映画を見たあとの、あのとても興奮して嬉しそうな顔は、今後絶対に見ることがないだろう。
「ありがとうございましたー」
観覧車から降りると、神谷さんはひとりでどんどん出口へと向かった。そのまま帰ってしまう勢いだ。
「神谷さんっ」
私は、彼女の腕を引き、呼び止める。そばで待っていた坂木くんも、異変に気付いて寄ってきた。
「ごめん! ……ごめんなさいっ!」
「離してっ」
なにも言えない。
「紺野さんは、他の人と違うって思ってたのに」
弁解する資格もない。
「友達になりたいって……初めて思えた人だったのに……」
神谷さんの声が、少しかすれて聞こえた。下を向いているから、その顔はキャップのツバで影になっている。
「……最低」
そのひと言が、私の心にめりこむように重くのしかかった。喉が詰まって、うまく息ができない。
うつむいた私たちふたりを乗せて、観覧車がゆっくりと下がっていく。私は取り繕う言葉を探したけれど、もうなにを言っても遅いと悟った。映画を見たあとの、あのとても興奮して嬉しそうな顔は、今後絶対に見ることがないだろう。
「ありがとうございましたー」
観覧車から降りると、神谷さんはひとりでどんどん出口へと向かった。そのまま帰ってしまう勢いだ。
「神谷さんっ」
私は、彼女の腕を引き、呼び止める。そばで待っていた坂木くんも、異変に気付いて寄ってきた。
「ごめん! ……ごめんなさいっ!」
「離してっ」