「え、嘘。だって、名前も見えたぞ? “アラタ”と一緒に昼メシ食べたいとかなんとかって、約束してたじゃん。あのときはピンとこなかったけど、アラタって坂木新のアラタだろ?」
今度は体中の毛穴という毛穴が開いたような感覚に陥った。鳥肌が立ち、喉を絞めつけられたかのように息苦しい。
アイコンにしても名前にしても、アラタを坂木くんだと信じこんでいる江藤くんに、なにも説明することができない。だって、アラタはたしかに坂木くんそのものなんだ。
坂木くんじゃないと言ってトキカプアプリを見せたところで、どうなる? 私がまるで坂木くんの熱狂的なファン……いやストーカーじみたことをしているみたいじゃないか。気持ち悪がられるだろうし、本当のことを信じてもらえる自信がない。
私は生唾を何度も飲んで、なにも言えずにうつむいた。もちろん江藤くんは、それを肯定だと受け取る。
「だーかーらー、それも言わねぇって。今、友達以上恋人未満の微妙な関係なんだろ? お前ら入学当初からやけに仲よしだなとは思ってたけど、坂木も隅に置けねぇな。俺も協力してやるからさ、そしたらお互いウィンウィンじゃん?」
今度は体中の毛穴という毛穴が開いたような感覚に陥った。鳥肌が立ち、喉を絞めつけられたかのように息苦しい。
アイコンにしても名前にしても、アラタを坂木くんだと信じこんでいる江藤くんに、なにも説明することができない。だって、アラタはたしかに坂木くんそのものなんだ。
坂木くんじゃないと言ってトキカプアプリを見せたところで、どうなる? 私がまるで坂木くんの熱狂的なファン……いやストーカーじみたことをしているみたいじゃないか。気持ち悪がられるだろうし、本当のことを信じてもらえる自信がない。
私は生唾を何度も飲んで、なにも言えずにうつむいた。もちろん江藤くんは、それを肯定だと受け取る。
「だーかーらー、それも言わねぇって。今、友達以上恋人未満の微妙な関係なんだろ? お前ら入学当初からやけに仲よしだなとは思ってたけど、坂木も隅に置けねぇな。俺も協力してやるからさ、そしたらお互いウィンウィンじゃん?」



