考えると、気持ち悪くなってきた。眩暈も感じる。
「心配しなくても、言わないぞ?」
けれど、江藤くんは当たり前のように言った。
「え?」
悪いシナリオが頭のなかで充満していた私は、拍子抜けをして顔を上げる。でも、江藤くんの目を見ると、ほんの少し意味深な色を浮かべていた。口角もわずかに上がっている。
「交換条件、のんで くれるなら」
「交換……条件?」
「俺さ、昨日、いとこの家に向かう途中、紺野が神谷さんと一緒に帰ってるの見たんだよね」
たしかに神谷さんと一緒だった。けれど、それがなんなのだろうか。意味がわからずに首をひねる。
「神谷さん、他の女子たちとはつるんでないしさ、一緒に帰るってことは、今のとこ紺野が一番神谷さんと仲がいいってことだろ?」
「そんなこと……」
ないと思うけれど、神谷さんが他の人たちと距離を置いているのはたしかだ。あながち間違ってはいないのかもしれない。
「だからさ、明日土曜日だし、神谷さんを遊びに連れ出してよ。俺が誘っても絶対来てくれないし。たまたま映画の割引券二枚貰ってさ、ラブコメみたいだから俺は見ないし、あげるから」
「心配しなくても、言わないぞ?」
けれど、江藤くんは当たり前のように言った。
「え?」
悪いシナリオが頭のなかで充満していた私は、拍子抜けをして顔を上げる。でも、江藤くんの目を見ると、ほんの少し意味深な色を浮かべていた。口角もわずかに上がっている。
「交換条件、のんで くれるなら」
「交換……条件?」
「俺さ、昨日、いとこの家に向かう途中、紺野が神谷さんと一緒に帰ってるの見たんだよね」
たしかに神谷さんと一緒だった。けれど、それがなんなのだろうか。意味がわからずに首をひねる。
「神谷さん、他の女子たちとはつるんでないしさ、一緒に帰るってことは、今のとこ紺野が一番神谷さんと仲がいいってことだろ?」
「そんなこと……」
ないと思うけれど、神谷さんが他の人たちと距離を置いているのはたしかだ。あながち間違ってはいないのかもしれない。
「だからさ、明日土曜日だし、神谷さんを遊びに連れ出してよ。俺が誘っても絶対来てくれないし。たまたま映画の割引券二枚貰ってさ、ラブコメみたいだから俺は見ないし、あげるから」



