「一週間くらい休んで登校再開しようとしたときも、途中で家に引きかえさなければよかったとか、二週間休んでそろそろ行かなきゃヤバいかもって思ったとき、勇気を出して登校すればよかったとか、たくさん……たくさん考えた」
一ヶ月後、二ヶ月後、半年後も、同じようなことを何度も何度も思って、そのたびに断念してきた。一年経ってようやくこの高校に通えているけれど、失った一年間は戻ってこない。引きこもっていた過去は、なくならない。
「坂木くんの話を聞いて、自分が恥ずかしい。臆病で、暗くて、ネガティブで、受け身で、坂木くんみたいになりたくてもなれなくて」
「この高校受けて、通ってるじゃん。それだけで、臆病でも受け身でもないでしょ」
坂木くんは、私の頭を優しく撫でた。触れられた部分から、まるでふわりと毒気を抜いてもらったかのように、頭が軽くなった気がした。
「偉いし、頑張ってるよ、紺野は」
「それは、坂木くんが……」
私の目尻には、いつの間に涙が溜まっていた。
「坂木くんのおかげで、通えてるんだと……思う」
一ヶ月後、二ヶ月後、半年後も、同じようなことを何度も何度も思って、そのたびに断念してきた。一年経ってようやくこの高校に通えているけれど、失った一年間は戻ってこない。引きこもっていた過去は、なくならない。
「坂木くんの話を聞いて、自分が恥ずかしい。臆病で、暗くて、ネガティブで、受け身で、坂木くんみたいになりたくてもなれなくて」
「この高校受けて、通ってるじゃん。それだけで、臆病でも受け身でもないでしょ」
坂木くんは、私の頭を優しく撫でた。触れられた部分から、まるでふわりと毒気を抜いてもらったかのように、頭が軽くなった気がした。
「偉いし、頑張ってるよ、紺野は」
「それは、坂木くんが……」
私の目尻には、いつの間に涙が溜まっていた。
「坂木くんのおかげで、通えてるんだと……思う」



