結局、二人の弟子ができてしまった紗季(さき)先輩は、その後もゲームセンターを完全制覇する勢いで遊びつくした。

 どうやら、その子たちは地元の小学生だったらしく、週末はよく友達同士でショッピングモールに遊びに来ているらしい。

 俺が田舎で育ったということもあるだろうが、最近の小学生は公園で鬼ごっことかしないみたいだ。

「師匠! コーハイ! また遊びに来てくれよ!」

 それが、ゲームセンターから去っていくときに言われた少年からの一言だった。

 もちろん、師匠とは紗季先輩のことで、コーハイとは俺のことだ。

 紗季先輩が俺の素上について色々と言ったそうだが、なんだか悪意のある切り取られ方をされているのは、先輩の意図なのか子供たちの無邪気さ故なのか、最後まで結局わからず仕舞いだった。

 ま、相手は子供なのでとやかく言うつもりはこれっぽっちもないけれど。