今週もまた、翌日、翌々日と、時間は流れていく。
それから、俺は自分の家と学校の図書室を往復するだけの生活を送ることになった。
図書室に行けば紗季先輩がいて、軽い会話を交わしたり、お互い勉学に励んだりと、そんな日常が続いていく。
もしかしたら、このまま先輩と過ごしていれば、彼女は自分から命を絶つようなことはせず、ずっと俺の傍にいてくれるんじゃないのかと、そう思うことが何度もあった。
実際、俺が経験した過去とは違う経験を俺自身がしているということは、先輩もそうだという証左になる。
ただ、未だに俺は自分が何故この時代に来れたのかわかっていないし、俺はもう二度と本来の時間軸に戻ることなく、またこの世界で自分の人生をやりなおすことになるかもしれない。
でも、それでもいいと思う。
あの、俺にとっては何もない世界に戻るよりは、こっちの……紗季先輩がいる世界のほうが、俺にとっては正しい世界なのだから。