俺は、特にそんな母さんにお礼をいうことなく、持ってきた麦茶を一気飲みする。

 つい先ほどまで冷蔵庫に入っていたのか、冷えた麦茶は乾いた喉を潤すことに一役買ってくれた。

 ただ、その勢いでスイカにも手を伸ばしたが、残念ながらこちらはそれほど冷えていなかったので、微妙ではあったものの、ちゃんと全部食べることにした。

 そして、一時間ほど経過しても、食べ終わったお盆を母が取りに来る様子はなく、下のリビングからは昼から酒を飲んでいる親戚たちの笑い声がここまで届いていた。

「……今降りても、絶対面倒なんだよな」

 別に、叔父さんたちが嫌いだというわけではない。

 だが、俺も酒が飲める年齢になってしまったせいなのか、叔父さんたちはやたらと俺と一緒に飲もうとしたがった。

 こんな何の面白みもない俺と一緒に酒を飲んで楽しいのか、甚だ疑問である。

 さっきは大学のレポートが残っているからと上手くあしらったものの、もうすぐ始まるであろう夜の宴会が始まってしまえば、そうもいかないだろう。

 元々、人と話すことが得意じゃないので、出来れば避けないイベントだ。