今重要なのは二つの事柄で、解決しなくてはいけない問題をあげるとするならば、以下の項目だ。
①どうして俺は、先輩がまだ生きている2015年の夏にいるのか?
②俺は今後、どのような行動を取ればいいのか?
この二つのことについて、俺はじっくりと考えなくてはいけない。
まず、①の問題だが、はっきり言って、全然検討すらつかない。
まさか、こんなSF要素満載の事象に自分が直面するとは思ってなかったので、知識はほぼゼロだ。
せいぜい、子供の頃はよく『ドラえもん』を視聴していた程度で、読書をそれなりに嗜んではいるものの、SF小説というのはあまり手を出していないジャンルだった。
苦し紛れにネットで時間遡行についても調べようとしたが、あくまで現在の科学では机上の空論であって、出てくるのは殆ど掲示板のネタ要素満載のオカルト記事だ。
もちろん、俺が昨日までいた2020年という時代でもそこまで研究が進んでいたとは思えないし、俺は机の引き出しからネコ型ロボットが出てきて、この時代に連れてこられたわけでも、デロリアンに乗ってきたわけでもない。
それに、今述べた方法で俺がこの2015年に来たのだとすれば、俺は大学生の頃の姿をしていないとおかしい。
「えっと、こういうのはタイムトラベル……じゃなくて、タイムリープって言うんだっけ?」
先ほど見た掲示板では、確かそのようなことが書かれていた気がする。
それほど役に立つ情報は見つからなかった、なんて言ってしまったが、こうして頭で整理していくと、意外と役に立っているのかもしれない。