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 だが、それが俺、白石(しらいし)慎太郎(しんたろう)が聞いた黒崎(くろさき)紗季(さき)の最後の言葉となり、あの日以来、俺は紗季先輩とは会っていない。

 そして俺は、今なら彼女の言葉に素直に肯くことができるだろう。

 
 今の俺は、どうしようもなく夏が嫌いだ。

 
 ――何故なら、その夏に、彼女は自殺をしてしまったのだから。