家に帰って来ると、リビングからは大勢の大人の声が聞こえてきた。きっと夜の宴会が始まってしまったのだろう。
しかし、幸いその宴会のお陰で、俺が玄関の扉を開けて帰ってきたことにも気づかれていないようだった。
なので、俺は叔父さんたちがいるリビングを無視して、自分の部屋のある二階へと向かった。
部屋に入ると、部屋に籠った熱気を逃がすために窓を開け、扇風機の風量を全開にして風を浴びる。
寝る前にシャワーくらいは浴びたいのだが、生憎と浴室はリビングを通らなくてはならない。
だが、さすがに夜通し宴会をするということはないだろうから、叔父さんたちが帰宅するころを見計らって部屋から出ることにした。