――その瞬間、俺の頭の中が、グルグルと回り始める。

 また、この感覚だ。
 なんだ、一体、この感覚はなんなんだ。

 ――■■■■■。

 そして、また、頭の中で謎の声が響く。

 だけど、その声は、温かくて、ずっと聴いていたいような声だった。

 ――■■■くん。

 どこかで聴いたことがある、優しい、声。

 ――■■郎、くん。

 少しずつ、ノイズの混じった声が、クリアになっていく。

 そして、最後は、はっきりと、その声が聞こえた。

 ――慎太郎くん!