昨日の放課後、進路表を見つけることができぬまま帰路についた僕。
担任の先生に新しいプリントをもらいに行くか、失くしたそれを見つけるか、どちらがいいのか天秤にかけたところ当然後者を選択した僕は屋上の真下にやって来たけれど、
「ないんだよなぁ……」
紙ヒコーキらしきものは一切ない。
あるのは、砂利と草だけだ。
昨日誰かが拾ってゴミ捨て場に持って行ったのだろうか。そう思って校舎裏にあるゴミ捨て場を見てみるが、ゴミ袋はまだ空のままだ。
「うえー、ないじゃん。やっぱり先生に新しいプリントもらわなきゃならないのかな。……嫌だなぁ、面倒だなぁ……」
ぶつぶつと文句をつきながら、ゴミ捨て場をあとにする僕。
せっかく早く学校に着いたのに、無駄足で終わってしまったなんて。
「あーあ……」
ほんと嫌になる。
ーー考えてみれば今までの。
「僕の人生全部うまくいってない」
心の真ん中にどんよりとした厚い雲が覆われていて、もうずっと晴れないままだ。
これからも現在進行形で、こんな生活が続いていくのかな。
そう考えるだけでより一層、どしんと心が重たくなる。
〝ハル、いつも楽しそうだよなー〟
中学生のときもそんなことを言われた。
そりゃあね、楽しいことだってあるよ。
僕の周りにはたくさんの友達がいて頼り甲斐のある担任もいる。仲の良い友達と一緒にいればおのずと笑顔になる。
人間関係も卒なくこなして問題なんかない僕は、進路だってすでに決まっていて完璧なように見える。
ーーでも実際はそんなことなくて。
「ほんと、なーんにも充実してないなぁ……」
僕は、今の生活が嫌いだ。
ううん。嫌いよりも、大嫌いだ。
できることなら、この息苦しい毎日から抜け出したい。
ーーそう思うことは、いけないことなのだろうか。