「俺、先生のこと“先生”って呼んでますけど、2歳しか変わらないんですよね」
1時間のレッスンが、そろそろ終ろうとしていた時だった。
彼がピアノを習いに来てくれてから2ヶ月。
相変わらず、まだまだリズムとか、「唄いかた」とか、これから上達していくであろう部分はたくさんあった。
でも、飽きずにピアノを続けてくれているというだけで良い。
大人になればなるほど、何かを始めても途中でやめてしまうこと、多いから。
「そうだよ。2歳しか変わんないよ。先輩、後輩みたいでしょう」
「そうですね。じゃあ、雪乃さんって呼んでもいいですか?」
「え? ええ」
突然の提案だったので、私は思わず、彼のいる方へ再び耳をぐいっと近づけてしまった。
「これからもよろしくお願いします。雪乃さん」
きっと、彼は行儀よくお辞儀をしたつもりなんだろうけれど、私は隣で赤くなった顔を見られまいと必死に隠していたから、気づけなかった。
1時間のレッスンが、そろそろ終ろうとしていた時だった。
彼がピアノを習いに来てくれてから2ヶ月。
相変わらず、まだまだリズムとか、「唄いかた」とか、これから上達していくであろう部分はたくさんあった。
でも、飽きずにピアノを続けてくれているというだけで良い。
大人になればなるほど、何かを始めても途中でやめてしまうこと、多いから。
「そうだよ。2歳しか変わんないよ。先輩、後輩みたいでしょう」
「そうですね。じゃあ、雪乃さんって呼んでもいいですか?」
「え? ええ」
突然の提案だったので、私は思わず、彼のいる方へ再び耳をぐいっと近づけてしまった。
「これからもよろしくお願いします。雪乃さん」
きっと、彼は行儀よくお辞儀をしたつもりなんだろうけれど、私は隣で赤くなった顔を見られまいと必死に隠していたから、気づけなかった。



