なんとか気持ちを立て直しながら続けてきたコールセンターでのアルバイトも、一年でやめてしまった。
「なんか、もういいや」
吹っ切れてしまえば早くて、コールセンターの仕事を辞めたあとの開放感を想像したらすぐに申し出ることができた。
何もできない私を雇ってくれたのはとても感謝しているし、会社側も、私には恩を売ったと思っているだろう。
辞めることを申し出たとき、常岡さんをはじめ、社員さんたちから「そう」とそっけない返事を頂戴した。
教育係だった常岡さんは、私という人間に無駄に労力をかけたと損した気分だろうが、その他の社員にとっては、私がいなくなったからといって、迷惑を被ることなんてほとんどないのだと分かった。

私じゃなくたって、いい。
代わりなんかいくらでもいる。

その現実は、心に重しがのしかかるように憂鬱なものでもあったし、逆に、心を軽くする羽のようにも感じられた。