花見と月見 時羽の怒り
『花見と月見を一緒にしない?』
花見と月見とは春と秋が一緒に来たような話が、グループメッセージに絵文字と共に届いた。雪月のハイテンションな感じが伝わってくる。人生楽しんだもの勝ち! とほくそ笑む雪月の顔が思い浮かぶ。
『桜は咲いていないし、月見シーズンじゃないけれど』
岸がコメントする。
『花がそこにあれば花見。月がそこにあれば月見でしょ』
『たしかに』
岸は納得したようだった。
グループメッセージなのに、岸と雪月の会話だけというのが当たり前となっている。
『今週土曜日は食べたいものを持参して桔梗ちゃんの家で実行しまーす』
時羽はそのテンションについていけないと、どこか冷めた目で見ていたが、友達がいなかったせいで変に冷めてしまったのかもしれないなどと自己嫌悪に陥る。
定例の土曜の夕方6時は桔梗の家に集まって食べたり、何かイベントを計画して楽しむことが日課になっていた。
「ねぇ、毎月満月の日はあるんだけれど、月によって呼び名が違うんだって」
「さっすがものしりだねぇ」
岸は相手に波長を合わせることが得意だ。
雪月は読み上げ始めた。
「1月はウルフムーン、2月はスノームーン、3月はワームムーン、4月はピンクムーン、5月はフラワームーン、6月はストロベリームーン、7月はバックムーン、8月はスタージョンムーン、9月はハーヴェストムーン、10月はハンターズムーン、11月はビーバームーン、12月はコールドムーンだって」
雪月は懸命に調べたらしく、持参の手帳に手書きで書いていたようだ。
「命名された意味とかあるの?」
岸が質問する。
「実は、そこまでは調べてなくって」
舌を出してごめんという表情をする雪月。
「1月のウルフムーンは腹を空かせたオオカミが遠吠えする時期。2月のスノームーンは狩猟するのが難しくなる時期。3月のワームムーンは虫が土から出る時期。4月のピンクムーンはピンクの花が咲く時期。5月のフラワームーンは花が咲く時期。6月のストロベリームーンはイチゴが熟す時期。7月のバックムーンはオスのシカの角が生え変わる時期。8月のスタージョンムーンはチョウザメの漁を行う時期。9月のハーヴェストムーンは収穫の時期。10月のハンターズムーンは狩猟を始める時期。11月のビーバームーンはビーバーの毛皮を捕獲するために罠を仕掛ける時期。12月のコールドムーンは寒い冬、夜が長くなる時期から語源は来ておる」
桔梗は何も見ることなくすらすら答える。全てが頭に入っているようだ。その聡明ぶりに時羽と雪月は唖然とする。見た目と中身のギャップに驚いたというのが正直なところだ。
「日本語の漢字で見てみると感覚的にわかりやすいんだが、毎月の満月の名前を教えるぞよ。ウルフムーンは狼月。スノームーンは雪月。おぬしと同じ名前じゃな。ワームムーンは芋虫月。ピンクムーンは桃色月。フラワームーンは花月。ストロベリームーンは苺月。バックムーンは男鹿月。スタージョンムーンは漁を行うチョウザメ月。ハーヴェストムーンは収穫月。ハンターズムーンは狩猟月。ビーバームーンはビーバー月。コールドムーンは寒月。漢字にすると視覚的に理解しやすくなるのは日本人として当然じゃ」
「私は2月のスノームーンと雪月という名字が同じなんだね。偶然の一致だけどなんだか運命を感じるというかうれしい気持ちになるなぁ。愛着がわくみたいな感じ」
にこにこ笑う雪月はすぐ嬉しいと顔に出る。
岸が説明を始めた。
「ギリシア神話に出てくる太陽神アポロンの双子の妹、月の女神アルテミスっていう人がいたんだ。植物の属名に、アルテミシア属というのがあってねぇ。ヨモギ属のことなんだよ。ギリシャ神話の月の女神アルテミスに由来するんだ。僕は神話が好きなんだよね。植物と医学や薬学って意外と結びつきが深いんだよ。だから、薬草の研究とか興味はあるねぇ。学びの精神は不滅だよ」
「ブルームーンやブラッドムーン、スーパームーン、マイクロムーンなど満月には素敵な名前がたくさんあるぞよ。1つしかないはずの月にこんなにも名前があるとはロマンぞよ」
「ブルームーンって青い月? 月って黄色じゃないの? 青い月なんて見たことない!!」
雪月が興奮して桔梗に聞く。
「ブルームーンには2つの意味がある。1つは1ヶ月に2回満月があること。もう1つは春分・夏至・秋分・冬至で区切られた季節に4回満月がある際の3回目を意味する。英語では「極めて稀なこと」「奇跡」という意味合いを持つんじゃ。まぁ3年に1度程度しか見ることはできん」
「じゃあ、青くは見えないの?」
「奇跡が重なれば見ることはできるがな。大噴火などの大きな災害が起きた時に月が青く見えた時はあるらしいぞよ。極めて稀という意味はそういうことじゃ。でも、大災害などないほうが幸せじゃないか」
「ブルームーンというバラもあるんだよ。ルリマツリの青い花もブルームーンと言われているらしいよ。カクテルにもブルームーンという名前のものがあるんだけれど、これはお断りに使われることが多いらしいよ。意味がふたつあって、「完全なる愛」と「かなわぬ恋」という意味なんだってさ」
植物に詳しい岸は、得意げに知っている知識を披露する。
「無駄に博識だな。将来はカクテルで告白するタイプだろ。花言葉ならぬカクテル言葉」
時羽が岸に突っ込む。
「じゃあ、ブルームーン会っていう名前にしようよ。ここにいる人たちは奇跡的な力を持つ人たちの集まりだし、奇跡を起こそうよ」
「個人的には、青い月の会と書いて、青月会《せいげつかい》っていうのがいいの」
「桔梗は話し方も発想もババくさいな。老人クラブの名前みたいじゃないか?」
岸は笑いながら突っ込む。
「うるさい」
桔梗はすねて布団をかぶる。相変わらず服装はぶかぶかのジャージで髪は寝ぐせがついたままだ。顔立ちは幼く整っているので、普通の格好をすれば美人の部類だろう。しかし、口調と仕草と格好が美人とは程遠いのが桔梗だ。多分本人は外見を気にもしていないし、美人だなんて気づいてもいないだろう。
「ストロベリームーンって赤いのかな?」
「少し赤みがかって見えることはあるぞよ。夕陽が見える原理と同じらしいが、期待するような苺色ではないぞよ」
「なんだかがっかり」
「恋をかなえてくれるというとか恋愛運があがるといわれているんだよね」
岸が恋愛ネタを持ってくる。雪月の本心が知りたいのかもしれない。
「そうなの?」
「風花ちゃん恋愛運上げたい相手がいるとか?」
岸は気持ちを知っている様子でわざと雪月に言う。そのことで少し頬を染めた雪月は会話を別な内容に変更するべくお弁当を出す。
「これ、わたしが作ってきたお弁当みんなで食べよう。夕食食べてないでしょ」
雪月は得意の手作り弁当を持参した。サンドウィッチをメインにみんなが手に取って食べやすいものを用意したようだ。一つ一つにかわいいピックが刺さっているのは、ウィンナードッグだろうか。ホットケーキミックスで外側は揚げてあり、甘さとウィンナーのしょっぱさがほどよくマッチしている。手が汚れないようにかわいいペーパーを用意している雪月は女子力が高めだ。みんなで食べるサンドウィッチはいつもよりもおいしく感じられる。
レタスがシャキッとしていて、しなしなしていない。雪月はきっと一工夫しているのだろう。マヨネーズとチーズの味が絶妙に絡み合う。卵は定番だが、トマトを入れているのにべたつかないところが工夫の末に当たり前のように彩り豊かに作られているということにみんなが心底感心していた。
おいしいものを食べて、窓から見える月と花を見る。この一帯は自然が多く木々や植物も多い。庭にはたくさんの花が乱れ咲きガーデニングが施されている。そして、適度な時間に解散となる。
岸の自宅は桔梗の自宅のすぐ近くなので、必然的に帰宅する道では時羽と雪月は二人っきりだ。雪月の家のほうが近いので、送っていくような感じになるが、ここは時羽も男なので夜道に女子一人を置いて自分だけ帰宅するほど薄情ではない。
「ねぇ、時羽君。すっごく満足そうだね」
下から見上げた雪月の顔も満足げだ。
「心、見たのか?」
「見なくてもわかるよ。でもさ、奇跡的なことが起こるといいな。極めて稀でも、私が長生きできるとか」
そんな核心を真顔で言われると、時羽は何も言えなくなってしまった。雪月から生きる長さを奪ってしまった幻想堂の魔力を呪いたくなっていた。もし、そんな特殊な力が店になければ、この人はもっと長く生きていられたのに。
「どうして、取引なんてした」
珍しく時羽は雪月を送っていく帰り道で、憤りを隠せず強い語調で責めるように質問する。
「自分をもっと大事にして第一に考えないから、おまえは長生きできなくなったんだ。心を見る能力なんて身に着けても、解決できないことだらけだ。だから、おまえは馬鹿だ」
雪月の自宅の前で、別れ際にきつく言い放った。時羽が感情をあらわにすることは滅多にない、というかはじめてかもしれない。そんな時羽の怒りを直に感じた雪月は何も言えずにそのまま自宅に帰る。時羽は自分の無力さと限界を感じてどうすることもできないことが辛くなっていた。仲良くなればなるほど、別れることは辛くなる。
『花見と月見を一緒にしない?』
花見と月見とは春と秋が一緒に来たような話が、グループメッセージに絵文字と共に届いた。雪月のハイテンションな感じが伝わってくる。人生楽しんだもの勝ち! とほくそ笑む雪月の顔が思い浮かぶ。
『桜は咲いていないし、月見シーズンじゃないけれど』
岸がコメントする。
『花がそこにあれば花見。月がそこにあれば月見でしょ』
『たしかに』
岸は納得したようだった。
グループメッセージなのに、岸と雪月の会話だけというのが当たり前となっている。
『今週土曜日は食べたいものを持参して桔梗ちゃんの家で実行しまーす』
時羽はそのテンションについていけないと、どこか冷めた目で見ていたが、友達がいなかったせいで変に冷めてしまったのかもしれないなどと自己嫌悪に陥る。
定例の土曜の夕方6時は桔梗の家に集まって食べたり、何かイベントを計画して楽しむことが日課になっていた。
「ねぇ、毎月満月の日はあるんだけれど、月によって呼び名が違うんだって」
「さっすがものしりだねぇ」
岸は相手に波長を合わせることが得意だ。
雪月は読み上げ始めた。
「1月はウルフムーン、2月はスノームーン、3月はワームムーン、4月はピンクムーン、5月はフラワームーン、6月はストロベリームーン、7月はバックムーン、8月はスタージョンムーン、9月はハーヴェストムーン、10月はハンターズムーン、11月はビーバームーン、12月はコールドムーンだって」
雪月は懸命に調べたらしく、持参の手帳に手書きで書いていたようだ。
「命名された意味とかあるの?」
岸が質問する。
「実は、そこまでは調べてなくって」
舌を出してごめんという表情をする雪月。
「1月のウルフムーンは腹を空かせたオオカミが遠吠えする時期。2月のスノームーンは狩猟するのが難しくなる時期。3月のワームムーンは虫が土から出る時期。4月のピンクムーンはピンクの花が咲く時期。5月のフラワームーンは花が咲く時期。6月のストロベリームーンはイチゴが熟す時期。7月のバックムーンはオスのシカの角が生え変わる時期。8月のスタージョンムーンはチョウザメの漁を行う時期。9月のハーヴェストムーンは収穫の時期。10月のハンターズムーンは狩猟を始める時期。11月のビーバームーンはビーバーの毛皮を捕獲するために罠を仕掛ける時期。12月のコールドムーンは寒い冬、夜が長くなる時期から語源は来ておる」
桔梗は何も見ることなくすらすら答える。全てが頭に入っているようだ。その聡明ぶりに時羽と雪月は唖然とする。見た目と中身のギャップに驚いたというのが正直なところだ。
「日本語の漢字で見てみると感覚的にわかりやすいんだが、毎月の満月の名前を教えるぞよ。ウルフムーンは狼月。スノームーンは雪月。おぬしと同じ名前じゃな。ワームムーンは芋虫月。ピンクムーンは桃色月。フラワームーンは花月。ストロベリームーンは苺月。バックムーンは男鹿月。スタージョンムーンは漁を行うチョウザメ月。ハーヴェストムーンは収穫月。ハンターズムーンは狩猟月。ビーバームーンはビーバー月。コールドムーンは寒月。漢字にすると視覚的に理解しやすくなるのは日本人として当然じゃ」
「私は2月のスノームーンと雪月という名字が同じなんだね。偶然の一致だけどなんだか運命を感じるというかうれしい気持ちになるなぁ。愛着がわくみたいな感じ」
にこにこ笑う雪月はすぐ嬉しいと顔に出る。
岸が説明を始めた。
「ギリシア神話に出てくる太陽神アポロンの双子の妹、月の女神アルテミスっていう人がいたんだ。植物の属名に、アルテミシア属というのがあってねぇ。ヨモギ属のことなんだよ。ギリシャ神話の月の女神アルテミスに由来するんだ。僕は神話が好きなんだよね。植物と医学や薬学って意外と結びつきが深いんだよ。だから、薬草の研究とか興味はあるねぇ。学びの精神は不滅だよ」
「ブルームーンやブラッドムーン、スーパームーン、マイクロムーンなど満月には素敵な名前がたくさんあるぞよ。1つしかないはずの月にこんなにも名前があるとはロマンぞよ」
「ブルームーンって青い月? 月って黄色じゃないの? 青い月なんて見たことない!!」
雪月が興奮して桔梗に聞く。
「ブルームーンには2つの意味がある。1つは1ヶ月に2回満月があること。もう1つは春分・夏至・秋分・冬至で区切られた季節に4回満月がある際の3回目を意味する。英語では「極めて稀なこと」「奇跡」という意味合いを持つんじゃ。まぁ3年に1度程度しか見ることはできん」
「じゃあ、青くは見えないの?」
「奇跡が重なれば見ることはできるがな。大噴火などの大きな災害が起きた時に月が青く見えた時はあるらしいぞよ。極めて稀という意味はそういうことじゃ。でも、大災害などないほうが幸せじゃないか」
「ブルームーンというバラもあるんだよ。ルリマツリの青い花もブルームーンと言われているらしいよ。カクテルにもブルームーンという名前のものがあるんだけれど、これはお断りに使われることが多いらしいよ。意味がふたつあって、「完全なる愛」と「かなわぬ恋」という意味なんだってさ」
植物に詳しい岸は、得意げに知っている知識を披露する。
「無駄に博識だな。将来はカクテルで告白するタイプだろ。花言葉ならぬカクテル言葉」
時羽が岸に突っ込む。
「じゃあ、ブルームーン会っていう名前にしようよ。ここにいる人たちは奇跡的な力を持つ人たちの集まりだし、奇跡を起こそうよ」
「個人的には、青い月の会と書いて、青月会《せいげつかい》っていうのがいいの」
「桔梗は話し方も発想もババくさいな。老人クラブの名前みたいじゃないか?」
岸は笑いながら突っ込む。
「うるさい」
桔梗はすねて布団をかぶる。相変わらず服装はぶかぶかのジャージで髪は寝ぐせがついたままだ。顔立ちは幼く整っているので、普通の格好をすれば美人の部類だろう。しかし、口調と仕草と格好が美人とは程遠いのが桔梗だ。多分本人は外見を気にもしていないし、美人だなんて気づいてもいないだろう。
「ストロベリームーンって赤いのかな?」
「少し赤みがかって見えることはあるぞよ。夕陽が見える原理と同じらしいが、期待するような苺色ではないぞよ」
「なんだかがっかり」
「恋をかなえてくれるというとか恋愛運があがるといわれているんだよね」
岸が恋愛ネタを持ってくる。雪月の本心が知りたいのかもしれない。
「そうなの?」
「風花ちゃん恋愛運上げたい相手がいるとか?」
岸は気持ちを知っている様子でわざと雪月に言う。そのことで少し頬を染めた雪月は会話を別な内容に変更するべくお弁当を出す。
「これ、わたしが作ってきたお弁当みんなで食べよう。夕食食べてないでしょ」
雪月は得意の手作り弁当を持参した。サンドウィッチをメインにみんなが手に取って食べやすいものを用意したようだ。一つ一つにかわいいピックが刺さっているのは、ウィンナードッグだろうか。ホットケーキミックスで外側は揚げてあり、甘さとウィンナーのしょっぱさがほどよくマッチしている。手が汚れないようにかわいいペーパーを用意している雪月は女子力が高めだ。みんなで食べるサンドウィッチはいつもよりもおいしく感じられる。
レタスがシャキッとしていて、しなしなしていない。雪月はきっと一工夫しているのだろう。マヨネーズとチーズの味が絶妙に絡み合う。卵は定番だが、トマトを入れているのにべたつかないところが工夫の末に当たり前のように彩り豊かに作られているということにみんなが心底感心していた。
おいしいものを食べて、窓から見える月と花を見る。この一帯は自然が多く木々や植物も多い。庭にはたくさんの花が乱れ咲きガーデニングが施されている。そして、適度な時間に解散となる。
岸の自宅は桔梗の自宅のすぐ近くなので、必然的に帰宅する道では時羽と雪月は二人っきりだ。雪月の家のほうが近いので、送っていくような感じになるが、ここは時羽も男なので夜道に女子一人を置いて自分だけ帰宅するほど薄情ではない。
「ねぇ、時羽君。すっごく満足そうだね」
下から見上げた雪月の顔も満足げだ。
「心、見たのか?」
「見なくてもわかるよ。でもさ、奇跡的なことが起こるといいな。極めて稀でも、私が長生きできるとか」
そんな核心を真顔で言われると、時羽は何も言えなくなってしまった。雪月から生きる長さを奪ってしまった幻想堂の魔力を呪いたくなっていた。もし、そんな特殊な力が店になければ、この人はもっと長く生きていられたのに。
「どうして、取引なんてした」
珍しく時羽は雪月を送っていく帰り道で、憤りを隠せず強い語調で責めるように質問する。
「自分をもっと大事にして第一に考えないから、おまえは長生きできなくなったんだ。心を見る能力なんて身に着けても、解決できないことだらけだ。だから、おまえは馬鹿だ」
雪月の自宅の前で、別れ際にきつく言い放った。時羽が感情をあらわにすることは滅多にない、というかはじめてかもしれない。そんな時羽の怒りを直に感じた雪月は何も言えずにそのまま自宅に帰る。時羽は自分の無力さと限界を感じてどうすることもできないことが辛くなっていた。仲良くなればなるほど、別れることは辛くなる。