麗華はこの日、花淑の結婚式に参加していた。花淑は大変美しく、また幸せそうだった。宴が始まる前に、自分も明星と婚約しそうなこと、忌子の立場は気にしないと言うこと、そして何より明星も花淑の結婚を祝福していることを伝えた。花淑は嬉しそうに微笑んでくれて、また、麗華が幸せになれることを心から喜んでくれた。
「皇后陛下になってしまっても、手紙を出しても大丈夫?」
花淑にそう聞かれたので、勿論、と応えた。
「でも、お父さまたちには申し訳ないことをしてしまったわ……」
重たいお咎めはなかったが、皇帝を騙したことは事実だったので、位が降格になってしまった。ただ、財産の面では麗華も来年には皇后になるし、花淑もめでたく嫁入りしたので大丈夫だと言う。これで領民への厳しい取り立てがなくなればいいと思う。
麗華が後宮に持ち込んだ試薬の出来は、宮廷の薬師も唸るほどの出来で、それ故老師の作る薬屋は宮廷お抱えになった。老師と麗華が森や草原、市で薬草を集めに集めた結果の事だったので、老師も喜んでくれた。麗華が帰ってこないことだけは寂しがらせてしまったが、お前が幸せならそれで良いよ、と老師に言われた。
双子の末子が忌子でない時代が来る。明星と麗華の時代の幕開けだった……。